「ズートピア」はなぜ高評価なの?アナ雪との比較、"差別"がテーマの物語を解説!

幅広い世代から絶賛されているディズニー映画「ズートピア」。全米では「アナと雪の女王」を超えるオープン興行収入で話題となり、日本でも6月の時点で累計興行収入が60億を超える結果に‥!

ズートピア <出典:http://infogardens.com/tsumtsum-zootopia>

しかし、一体「ズートピア」の何がそんなにも評価されているのでしょうか?

大ヒット作「アナ雪」と比較しながら、冒険活劇で終わらない「ズートピア」に隠された人間社会の闇を内包する"テーマ"に迫ります。

◆動物たちの"楽園"‥?高評価のディズニー映画「ズートピア」あらすじ


近未来的な大都市・ズートピアにひしめき合うキュートなアニマルたち‥。物語の舞台は"擬人化された"様々な種族の動物が暮らす"楽園"。


<出典:https://www.youtube.com/watch?list=PLuLW12lxUp4XweiSas-LoG-IFAN9932sl&v=i20QSzELhWY>

予告編にもある主人公・うさぎのジュディ・ホップスが電車に乗ってズートピアへ向かうシーンは、主題歌「トライ・エヴリシング」のポジティブな楽曲ともマッチして、うきうき気分を高めてくれますよね。

そう、その姿はまるで大都会・NY、日本でいえば東京へと大きな夢を抱えてやってくる若者そのもの。ジュディも例に漏れず、憧れの警察官としての日々を送るためズートピアにやってきました。

しかし実際の警察官は大きく屈強な"肉食"動物ばかり‥。草食動物であるうさぎの警察官なんて過去にもいないと、一蹴されてしまいます。

警察官としてどうにか認めてもらうため、行方不明事件の捜査にのりだしたジュディ。

そこで"うさぎの天敵"であるきつねのニック・ワイルドと出会い、捜査は、そしてジュディ自身はどうなっていくのか‥!

一見よくありがちなキッズ向け冒険活劇にもみえるこのストーリー‥。かと思いきや、そこはやっぱりウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作!

「ズートピア」は大人にこそ見てほしい、人間社会を象徴する"テーマ"が物語に隠されているんです。

◆人間社会のリアルな闇に潜んだ"偏見"と"差別"を浮かび上がらせる


ズートピア <出典:https://twitter.com/disneyjp/status/722968719060664320>

ジュディは小柄さ、俊敏さを活かし、警察学校ではトップの成績を残していました。その優秀な能力をみることもなく、"草食動物である"だけで真っ先に否定されてしまったわけです。

「草食動物は小さくておとなしいものだから警察官に向いていない」-‥。種族に対する偏見・差別的な概念が主人公に立ちはだかります。

"誰もが夢を叶えられる場所"、時代の先を行く近未来都市ズートピアでも、田舎町と変わらぬ"差別"と"偏見"が拭いされずにいる‥。





擬人化された動物たちが生きるこの世界は現実の人間社会にそっくりだとは思いませんか?


<出典:https://www.youtube.com/watch?list=PLuLW12lxUp4XweiSas-LoG-IFAN9932sl&v=xW5vNxZVDR8>

例えば羊のベルウェザー副市長のふわふわな毛皮に覆われた頭を、きつねのニックがこっそり触ろうとするシーン。

コミカルなシーンに見せかけて、実は黒人の縮れやすい髪質を蔑んできた差別的歴史背景を喚起させているのだとか。至る所に些細な"差別的言動"をわざと潜ませているのです。

このように作中で登場する動物たちも人間社会のメタファーになっています。

抗うことの出来ない種族の特性を含ませながらも、個性溢れる性格でイキイキと描かれたキャラクターたち。愛着とともに親近感を抱きやすいのもポイントです。

「あぁ~こういう人いる!(笑)」と彼らの言動に身近な人を当てはめてクスッと笑ってしまう。

人間社会の闇をテーマに据えながらも、純粋にエンターテイメント作品としても高い完成度を誇っている。これこそがさすがディズニー映画と唸りたくなる所以ですね。

◆ちょっと待った!これで終わらない"深い物語"があるからこその高評価だった


ズートピア <出典:https://twitter.com/disneyjp/status/696936579412193283>

うーん、さすがディズニー映画だなぁ‥。と唸るにはまだ早い!実は本当に評価されているのはこの先、差別問題の根深さを描いているから。

これ以上はネタバレになってしまうので細かな説明は割愛しますが、物語が進んでいくに連れてジュディ自身にもあるきっかけが訪れるんです‥。

誰もが差別する側になり得る、ちょっとした言動が差別に繋がっている。そんな脆さが実にリアルなんですよね。

「ズートピア」を観たスタジオジブリのプロデューサー・鈴木敏夫さんも「この作品は、資本主義の果てに、どういう社会が生まれるのかを暗示している。ディズニー映画の中でもずば抜けた傑作」と絶賛。

その深い物語と描写はぜひとも映画のなかで発見してみてくださいね!





◆「"ありのまま"を受け入れろ」大ヒット・アナ雪をオウン批判


アナと雪の女王 <出典:http://matome.naver.jp/odai/2140793638610157501>

歴代ディズニー映画の中でも類を見ないほどの大ヒットを記録した「アナと雪の女王」と聞けば、誰もが思い浮かぶのが『Let it Go(ありのままで)』のフレーズ。

エルサが自分自身を解き放つ物語の核となった『Let it Go(ありのままで)』ですが、今作「ズートピア」でも意図的に"Let it Go(ありのままで)"というセリフが使用されているんです。

それはジュディでは警察官が務まらないと考えていた水牛のボゴ署長によるセリフ。

"草食動物であるというありのままの自分の姿、ありのままの現実を受け入れろ"というように、ジュディに対して冷たく言い放ちます。

生まれ持った自分の特性、環境をただ"ありのまま"受け入れたとしたら‥。その先にはジュディの夢見る警察官としての未来はあるのでしょうか?

「アナと雪の女王」ヒットにより独り歩きしている"ありのまま"という言葉が併せ持つ負の要素を敢えて「ズートピア」でとり出しているように思えます。

この他にもミュージカル映画を批判するセリフもあったりと、歴史的大ヒットを記録したアナ雪を自ら皮肉っているんです。

作中にはアナ雪のモチーフが随所に隠されているのでそれを探してみるのもまたひとつの楽しみですね。

◆高評価にも納得な「ズートピア」は観る価値あり


ズートピア <出典:http://wwptalk.hatenablog.com/entry/2016/03/11/203030>

「アナと雪の女王」と"ありのまま"という言葉を背中合わせにして繋がっている「ズートピア」は、アナ雪を観たあなたに是非とも観てほしい作品。

人間社会の闇を生み出すひとりひとりに根付いた差別的思想にまでテーマを深掘った物語は、高評価なのも納得の出来栄えです。クスッと笑えてハラハラ・ドキドキもあり、深い問題提起までしてくれる‥。

これほどまで濃厚な1作は絶対に観る価値あり。映画館で上映されているうちにぜひ観に行ってみて!

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